ホイール
おおむね日本の常識が通用するフィンランドにも、やはり異なる習慣はあります。ちょっと戸惑うのも旅行の楽しさですが、事前に知っておけばスムーズに行動できるのも事実。トリビアというほどでもありませんが、あまり知られていない事例を集めてみました。

横断歩道はゆっくり渡る

横断歩道を渡るとき、信号があればそれに従うのは当然ですが、信号機がない場合はゆっくり堂々と渡りましょう。車は100%停まります。「ゆっくり」というのは、「これから渡りますよ」という意思表示をするため。いくらなんでも飛び出したら車だって止まれませんからね。また、歩道から少し離れて車が停まるのを待っていると、「渡る意思なし」と思われるのでしょう。そうした態度だと車が止らないことのほうが多いようです。車が止まると日本人なら「あ、どうもスイマセン・・」と小走りになるでしょうが、外国人(フィンランド人に限らない)は、のんびり・悠々、「車が止まるのは当然」といった態度で歩いています。中にはサンキューって感じで会釈する人もいますが、どちらかというと少数派かな。
いずれにせよ、横断歩道で車が止まるのはフィンランドの常識。こればっかりは日本人も学んでほしいところです。なんらの環境改善、法的整備など必要なく、今すぐに実行できることなのですから。

 

 

車は右側、さて人は?

日本であれば車は左側通行、人間は右側というのは常識ですね。フィンランドでは車が右側なので、じゃあ人は左側・・・というわけではありません。歩行者はどちらを歩くのか。即答できるフィンランド人はあまりいないので、機会があったら聞いてみると面白いですよ。さて、実際には歩行者はどちら側を歩けばいいのか。正解は「内側」です。
下の写真。左側が車道(車は右側通行)。真ん中が自転車レーン。そして右端が歩行者用。車道を基準にしてみると、自転車レーンが外側(車道寄り)、歩行者要は内側ということができます。ヘルシンキ市内ではほとんどの道が3種類に分けられています。つまり広い意味での歩道が自転車用と歩行者用に区別されており、歩行者は内側を歩くことになっています。なお、エレベーターでは右側に立ちます。いわゆる「大阪方式」いうやつでんねん。

 

自転車は自転車用、歩行者は歩行者用レーンを使うのが常識とされているため、うっかり自転車用レーンを歩いていると罵声を浴びせられることも珍しくありません。それは歩行者の落ち度かもしれませんが、信号待ちをする場合、うっかり自転車レーンに入り込んでしまうことがあります(写真下左)。こんなとき、猛スピードで突入してくる自転車もいるので要注意。自転車に乗っている人々は、なぜか彼らに最優先権があると考えているようです。車は横断歩道でまちがいなく止まりますが、自転車はその限りではありません。

 


お店では客も働く

アパートメント・ステイで自炊する人はもとより、スーパーで生鮮食品(果物なんか)を買うことがあるかもしれません。コレ、ちょっと厄介なんですね。
パック詰めでバーコードシールが貼ってあれば問題ありませんが、バラ売り野菜・果物・調理パンなどは自分で計量機にかけて値段シールを貼らなければなりません。商品棚には値段(キロ当たり)と商品番号が示されています。たとえバナナなら「1.35 13」なんて書いてあります。これは「キロ当たり1.35ユーロ(安い!)、商品番号は13」という意味。そこで客はバナナ(等)を写真のような計量機にのせ、番号を押す。すると値段シールが出てくるので商品に貼ってレジに向かうという運びになります。
フィンランドの一人当たりGDPが高い=生産性が高いというのはこういう事情もあるのです。多くのレストランや喫茶店も同様ですが、客もまた働いているからなのですね。

 

 

なかなかユニーク

2000年以降(曖昧)、この手のドア・レバーを目にすることが極端に減りましたが、ヘルシンキ市内の有名レストランのトイレで遭遇。現在ではおそらく99%のドアにはレバーとは独立した「カギ」があることでしょう。しかしこの店は90年代初期の仕組みを継承。レバーとカギが一体化しています。
個室に入ってドアをロックしていないのが写真下左。ロックする場合はレバーを縦に(右回転)します。これは言われなければ分からないでしょうねえ。ちなみにトイレ内の電気は消しておくのがデフォルト。ドア脇にスイッチがあるので、入室時に点灯していても、使用後は消すのが基本マナーといえます。


やっかいな休日

ちょっとなじみにくいのがフィンランドの休日。クリスマスや正月は毎年同じ日ですが、中には移動祭日というものがあります。復活祭(イースター)を例にとると「春分を過ぎて最初の満月の直後の日曜日がその日」とされている。「諸聖人の日」なんてもともとなんのことだか分からないので、さらに混乱。で、祝日にはお店や観光地がほとんどクローズするうえ、交通機関もダイヤ変更あるいは運休となるので要注意です。現実にはまずないでしょうが、クリスマスイブにちょっと郊外に出たら帰れなくなる・・なんてことも考えられます。事前によく調べておきましょう。 

2021年の祝日は以下の通り。 ※印が移動祭日

1月1日  元旦
1月6日  公現祭
4月2日 聖金曜日※
4月4~5日 復活祭※
5月1日  ヴァップ
5月13日 昇天祭※
5月23日 聖霊降臨祭※
6月26日 夏至祭※
11月6日 諸聖人の日※
12月6日 独立記念日
12月24~26日 クリスマス

 アイスホッケーは国技

tobimari 日頃はスポーツには関心がないような人でも、アイスホッケーだけは別物。アイスホッケーが嫌いなフィンランド人は、カレーが嫌いなインド人のようなものです。むべなるかな。アイスホッケーはフィンランドの国技。そしてフィンランド・チームは世界5強の一つですから。

歴史的経由も加味され、対スウェーデン戦となると、もう暴動が起きてもおかしくないくらいに国中が熱狂します。スウェーデンも強豪ですが、僅差でフィンランドが勝る? といったところでしょうか。反論はあるでしょうが。

アイスホッケーのW杯もしくは対スウェーデンとの世界選手権などは元老院広場に巨大なスクリーンをたてて放映するのですが、そんな場所でアイスホッケーを批判でもしようものなら、ただでは済まないでしょう。なにしろ観衆のほとんどが酔っぱらっていますし。

アイスホッケーでフィンランド人が激するというのはメタファーで、F1、ラリー、スキージャンプその他にも共通しています。察しの良い人にはフィンランド人の国民性がわかることでしょう。