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意外と曲者、買っただけでは安心できない

キップにはレシート状のものとクレカタイプとの2種類があることは紹介しましたが、それぞれの使い方には違いがあるので、再確認です。

二種類の切符 

 カード・チケットは使い始めに刻印する

キップはどこで買うかによってその形も使い方も変わります。自動販売機で購入すると写真上左のようなレシート状。有効期間(時間)が印刷されています。つまり購入時点から有効時間がスタートするわけです。そのため、自動販売機での購入は乗車の直前にしましょう。
一方、キオスクなどで販売しているのはクレカタイプのカード・チケット(同右、別デザインもあり)で、乗車時にカードリーダーに読み取らせてから有効になります。有効時間はABエリアなら80分、ABCエリアは90分です。この作業は使い始めの一回だけ(バスは別・後述)でOK。そのあとは保管し、検札員が来たらキップを見せてください。

切符リーダー

 バスは乗車のたびにキップを見せる

バスは前方入り口・運転手の横に、トラム・電車は車両内部に、地下鉄なら乗り場に続くエスカレーター手前に写真上のような機械(カードリーダー)が備え付けてあります。まず乗車区間(切符の有効区間)をタッチパネルで選び(ABなりABC)、その後に機械下部の丸い部分にカードをかざします。カードが有効であればピーという発信音とともに緑色のランプが点灯。その時点から所定の有効期間だけ使えるようになります。

先述のようにこの作業は乗車開始時の一回だけでいいのですが、バスは例外。乗車のたびに行ないます。自販機で購入したレシート状のキップなら、運転手に見せてください。

 キップは目的地まで事前に買う

トラムはヘルシンキ市内にしかないので問題ありませんが、電車・バスに乗る場合「乗り越し精算」はできない」ことを肝に銘じておいてください。
ABエリアの一日券を持っていても、たとえばエスポー(ヌークシオ)には行けません。その場合、ABCチケットが必要になります。1日券を持ってるからと油断して近郊列車に乗り、つい規定ゾーンを超えてしまうと、悪気はなくても無賃(不正)乗車となり、検札がくれば80ユーロ(2023年)の罰金が科されます。 HSLカード(定期券のようなもの)を持っている場合、有効区間を伸ばすことができますが、滞在が2週間未満の旅行者には無縁です。 

 キップの選び方

1日(24時間以内)にトラム、バス等を3回以上利用するなら、1日券を買ったほうが得です。へルシンキ滞在が2日以上であれば、全日程をカバーする通し券がさらに割安になります。
が、チケットの値段は有効地域によって変わるので、滞在期間中にどこへ、どのようにして行くかで考慮の余地が出てきます。以下、シミュレーションしてみましょう。

・利用の都度一回券を買う   38.1ユーロ

日付 行先 値段
1 空港→ホテル 4.1
2 市内観光 3.1X3 
3 タリン日帰り 3.1X2
4 ヌークシオ国立公園 4.1X2
5 午前・市内観光 → 空港 3.1X2+4.1

・到着から帰国まで有効なABCチケット(4日券)を買う   27.5ユーロ


ごく一般的な行程を例示しましたが、実際には市内での交通機関利用はさらに多くなるでしょう。すなわち、通し券が断然お得になるわけです。空港⇔ホテルの移動をどうするか、ヌークシオ国立公園等、ヘルシンキの外に行くかどうかによって総額は変わりますので、空港往復は一回券を買い、市内観光はAB地域の3日券(18ユーロ)で十分、ということも考えられます。 しかし、手間暇を考えると、滞在日数分のABCエリア・チケットを購入するのが得策といえましょう。