
自然現象ですから年によって変わりますが、ヘルシンキを中心とした南部での典型的な一年は以下のようなものです。
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春 |
3月 maaliskuu |
| 夏 | 6月 kesäkuu 日照時間はどんどん伸び、気温もぐんぐん上がっていきます。ラップランドでは完全な白夜が7月末まで続き、ヘルシンキでも日没後も真っ暗にはなりません。当月の最大イベントはいわゆる”夏至祭”。明るい夜の中、大きな焚火が醸し出す幻想的な雰囲気はぜひ体験したいもの。夏至を過ぎるとファッション関係をはじめとして夏ものバーゲンセールが一斉に始まり、本年モデルが70%引き! なんてこともあります。新鮮な野菜類も出回り、夏の盛りを味わえるひとときです。 ・日の出4時、日没23時。 7月 heinäkuu 本格的な旅行シーズンの始まり。一日は長く、気温も高く、どこに行って何をしても、またはどこにも行かず何もしなくても、ただいるだけで気持ちのよい季節。多くのフィンランド人はこの時期に4週間の夏休みをとって郊外へあるいは海外へと出かけるため、へルシンキ市内は外国人あるいは地方から来た人々が主流となります。一般的には観光のベストシーズンといってよいでしょう。森に足を伸ばせばベリー摘みも楽しめます。・日の出4時半、日没22時半。 8月 elokuu ・日の出5時半、日没21時半 |
秋
9月
syyskuu
年によっては中旬頃まで暖かい日が続くこともありますが、実質的には秋。最高気温で15~16度、朝晩は6~7度に下がるので上着は必携。ダウンジャケットを着用する人もちらほら。気団が入れ替わる時期なので雨の日も増え、外出にはちょっと躊躇することも。博物館や美術館、あるいはカフェめぐりなど、室内移動が無難かも。
一方、アクティブな人には森林も魅力。黄葉が始まり、さわやかなハイキングが楽しめるでしょう。キノコ狩りのハイシーズンでもあります。
・日の出6時半、日没19時半。
10月 lokakuu
便宜上、2か月を秋に分類しましたが、すでに冬の始まりといってもいいでしょう。月間平均気温は約6度。東京の1~2月相当で、月末には初雪を迎えることもあります。寒さに弱い人は完全武装で臨んでください。日照時間もグンと短くなり、お目覚めの頃に太陽が姿を現すことはなく、白夜とは別の意味で時間の感覚を失います。
ラップランドではぼちぼちオーロラ出現の確率が高まり、運が良ければ白銀と紅葉を舞台に踊る光の一群に出会えるでしょう。
・日の出7時、日没17時。
| 冬 | 11月
marraskuu 本格的な冬に突入。気温は一気に下がっていき、太陽の輝きも力を失います。雪が積もるようになると、街の灯りを反射してそれなりに明るさを感じるのですが、それまでは薄暗い日々が続きます。ラップランドでは同月末から1月中旬まで、太陽が地平線より顔を出さないカ―モス(極夜)の時期となります。精神的にも暗くなる季節ですが、月末から始まるクリスマス商戦に乗じて無理やり気分を高めて乗り切ります。 ・日の出8時半、日没16時。 12月 joulukuu 街中はイルミネーションに飾られ、クリスマスムードを高めてくれます。家庭の庭や窓内に灯されたろうそくなどの明かりが雪に照り返され、厳かな雰囲気を醸し出します。 ・日の出9時半、日没15時15分(冬至)。 1月 tammikuu 雪の降り始めには年により異なりますが、さすがに1月ともなると全国的に一面の雪。湖面や岸部近くの海面は全面凍結し、スキーやスケートを楽しむ姿を見ることができます。気温は下がる一方なので、防寒対策は万全に。帽子、マフラー、手袋は必携です。これらがあれば寒さは意外と気になりません。むしろ問題は暗さでしょうか。日照時間の短さに加え、太陽を見ること自体が少ないのがつらいところ。 ・日の出9時、日没15時半。 2月 helmikuu 厳冬期。ほぼ毎日が雪で気温は年間を通じて最低になり、マイナス20度を下回ることも少なからず。ところが面白いもので、マイナス4~5度だと、「お、今日は暖かいな」と思えてきます。4~5日の旅行中でも、そうした変動を感じることもあるでしょう。クリスマス前後に比べ、日照時間は3時間ほど伸びるので日の長さを実感でき、精神的に楽になります。しかし実際にはあと2か月、ひょっとすると3か月ほどは震えていなければなりません。 ・日の出8時、日没17時。 |
旅行に最適な季節は?
なんといっても夏! なかでも夏至をはさんだ前後一か月間は一日中明るく気温も良好、爽快このうえありません。特別なことをせずに公園に座っているだけでも幸せな気分になります。個人的には5月末から6月中旬が大好き。新緑が芽吹き、野山を花が埋め尽くし、夏のピークに向けて生命の躍動を感じます。
ただし6月は雨が続いて肌寒い日が多い年もあります。天候が安定するのは7月末から8月ですが、やや暑すぎる感じ。また、夏のピークは過ぎているので、これからどんどん寒くなるのだなあ、と在住者としては一抹の寂しさにも襲われます。とはいえ旅行者には無縁のことで、さまざまな屋外イベントも開催される時期なので、訪問の価値は十分あります。休みが取れるのもその頃でしょうしね。
そのほかの季節。9~10月なら黄葉に囲まれたハイキング、オーロラを見るなら12~2月。フィンランドの冬はどんだけ寒いんだ! というのを体験するのもいいですね。4~5月は怒涛の雪解けで春の到来を心底味わえます。11月は・・・日は短く、まだ雪もなくて薄暗い。特段のイベントもなく・・・と、できれば旅行は避けたほうがいいかもしれません。


春分を迎えるので暦の上では春。しかし降雪量が最も多いのが3月。年間最低気温を記録することあるので防寒対策は万全に。とはいえ、強烈な陽ざしに恵まれると、たとえ気温が6~7度でも誇張ではなく暑いくらい。街ゆく人々に笑顔が戻るのもこの時期。明るいということはなんと素晴らしいのでしょう。
雪解けが始まり、景色が怒涛の勢いで変化していきます。植物の生長速度が著しく、一日を境に花畑が出現するほど。注意深く観察していれば、3~4日の滞在でも、その違いには気づくでしょう。日照時間はさらに伸び、太陽の輝きにも力が加わってきます。市内の雪がほぼ消えてなくなる下旬以降、寒の戻りに見舞われながらも、ぼちぼち旅行シーズンを迎えます。
新緑が芽吹き、さまざまな花が咲き乱れて春を謳歌できる季節の到来。年によっては中旬にして真夏のような暑さになることも。ラップランドでは日照時間が20時間を超えるようになるため気温の逆転現象が起き、ヘルシンキよりも暖かい日が目立つようになります。
日
本格的な旅行シーズンの始まり。一日は長く、気温も高く、どこに行って何をしても、またはどこにも行かず何もしなくても、ただいるだけで気持ちのよい季節。多くのフィンランド人はこの時期に4週間の夏休みをとって郊外へあるいは海外へと出かけるため、へルシンキ市内は外国人あるいは地方から来た人々が主流となります。一般的には観光のベストシーズンといってよいでしょう。森に足を伸ばせばベリー摘みも楽しめます。
本格的な冬に突入。気温は一気に下がっていき、太陽の輝きも力を失います。雪が積もるようになると、街の灯りを反射してそれなりに明るさを感じるのですが、それまでは薄暗い日々が続きます。
雪の降り始めには年により異なりますが、さすがに1月ともなると全国的に一面の雪。湖面や岸部近くの海面は全面凍結し、スキーやスケートを楽しむ姿を見ることができます。
厳冬期。ほぼ毎日が雪で気温は年間を通じて最低になり、マイナス20度を下回ることも少なからず。ところが面白いもので、マイナス4~5度だと、「お、今日は暖かいな」と思えてきます。4~5日の旅行中でも、そうした変動を感じることもあるでしょう。