ヘルシンキの歴史を楽しく学べる市立博物館

大聖堂広場に隣接した穴場:入場無料

写真中央、灰色の建物が市立博物館

ヘルシンキの象徴、Tuomiokirkko(大聖堂)の階段上から広場を見下ろす。左手の角にあるセデルホルミンタロ(Sederholmin talo 1757年)は市内最古の石造建築として知られ、現在は博物館として一般開放されている。
大聖堂広場に行けばこの建物は目に入るはずだが、派手な看板があるわけではないので、見過ごすことが多いだろう。それでは残念だ。

大人も子供も楽しめる内容

同博物館は二つのパートに分けられ、一つはヘルシンキの一般的歴史を、もう一つは児童文化に絞った展示をしている。まずは中庭を通って市立博物館に入るのだが、これがちょっとわかりづらい。閉鎖的というほどではないが、熱烈歓迎という感じでもない。そんなわけで、建物自体は目にしても入場に二の足を踏む人がいても不思議ではない。

フィンランドの建物は「来るものを拒む」ような造りが多いが、中に入ると開放的。ここも例外ではなく、思い切って入ってみると、明るく広々とした受付ロビーがあり、その奥には児童の遊び場もある。一瞬にして暖かい雰囲気に包まれる。

一階にもこまごまとした展示はあるが、とりあえずはエレベーターで2階にあがろう。常設展会場で、1950~70年代を中心としたヘルシンキの日常を扱っており、これがなかなか楽しい。

たとえばこの写真は50年代の最先端の部屋。こぎれいなキッチン、オシャレなテーブル、ラジオまである! Fleminginkatu(ヘルシンキのど真ん中)に実在した家がモデル。当時あこがれの都市生活がどんなものだったかを味わえる。

このほかアキ・カウリスマキの映画に出てきそうなカフェ(バー)やら余暇の過ごし方、監獄の様子や道路の清掃方法など、思いもよらない展示物に気分が安らぐ。

1950年代の教室を再現

続いて離れにあたるLasten kaupunkiに進もう。セデルホルミンタロが会場だ。1~2階にわたる展示スペースは広く、やはり1950年代くらいの生活がメインだが、主役は当時の子供たちの生活。農場ではどのように遊んでいたか、かつての教室はどうだったか、子供部屋はどんなつくりだったか、などの様子がうかがえる。体験コーナーもあるので、子供たちも退屈しない。

このような形でヘルシンキの歴史を展示するようになったのは2016年5月から。比較的最近のことだが、市立博物館自体の歴史は長く、その端緒は1911年にさかのぼる。その会場は国会議事堂前のHakasalmen huvilaである。その後、テーマにより場所を変え、統廃合を繰り返して現在の姿に至ったわけだが、総合的な博物館としてはソフィアンカトゥ(Sofiankatu)にあったものが有名。

アールヌーヴォーの巨匠・ラルス・ソンク(Lars Sonck)が設計した建物内に、ヘルシンキ500年の歴史におよぶ見ごたえのある展示物が並べられていた。その反面、重厚・学術的なきらいがあったともいえ、しだいに受け入れられなくなったのだろう。その結果、誰もが楽しめる空間という現在の姿になったように思える。博物館も時代の要請に応えなければ存続できないのだ。

Helsingin kaupunginmuseo vie Helsingin menneisyyteen ja sen moniin tarinoihin. Kaupunginmuseoon on aina vapaa pääsy.