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実用性に特化した豆知識

フィンランドの国土面積はおよそ34万平方キロメートル。日本の9割弱……なんてことはどうでもいいのです。そんなことをいくら知っていても旅行には何の役にもたちません。それよりも出国前に準備しておくべきこと、フィンランドに着いてすぐ必要になることを綴っていきます。旅行者にとって最も大切なことから順番に。

お金

フィンランドの通貨はユーロ・・・なんてのはわかりきったことで、問題はどのような「お金」を、どれほど持っていくかです。まず、トラベラーズチェックや日本円は不要。ユーロにしても、現金はほぼ不要。支払いはすべてクレカで、と考えてOKです。ただし、VisaもしくはMaster必携。JCBは、もし使えるところがあればラッキー! という程度の普及度です。

現金しか使えないという状況は年々減少しており、昨今では(コロナの影響で)「現金お断り」という風潮です。
とはいえ現金を持っていないと不安という気持ちもわかります。そんな場合、具体的には10ユーロ紙幣1~2枚、1ユーロおよび2ユーロと20セントと50セントコインを各2枚。金額にして20ユーロくらい(一日)を常備しておけば万全です。それ以上のまとまった支出をする場合にクレジットカードを受け付けないということはありえないからです。
手持ちの小銭がなくなったら、クレカもしくは国際キャッシュカードで少額単位で引き下ろせばよく、多額の現金を持ち歩く必要は全くありません。個人商店だと、50ユーロ紙幣までしか受け取らない(100ユーロ紙幣はダメ)ということが少なからずあります。
なお、2023年10月現在、現金しか通用しないケースは以下のとおりです。
 ・キップ自動販売機の一部
 ・無人の有料公衆トイレ
 ・一部のコインロッカー
おそらく必要ない、もしくは代替策があるものばかり。すなわち現金は持っていなくても問題ないということです。

Wi-fi

フィンランドWi-Fi 

お金の次に大事なのはスマホ、という時代になったようです。ネットがつながらないと生きていけないですよね?
幸い、フィンランドの都市部では無料でWi-Fiが使える場所が多いので便利ですが、セキュリティの不安もあるでしょうし、いつ・どこでも使いたいというヘビーユーザーには物足りないかもしれません。
海外向けレンタルWi-Fiルーターもひところに比べてずいぶん安くなりましたが、SIMフリーのスマホなら当地でプリペイドSIMを買ったほうが断然お得。完璧にお得。
プリペイドSIMは三社から販売されており、微妙に値段や内容が異なりますが、ネット、国内通話を7日間無制限に使えて8€程度ですが、頻繁に”特別セール” を行なっているので、実質的には5€程度で購入できるでしょう。詳細はコチラで。

飲料水

水道水であれば、全国、どんな場所でも飲用可能。日本と同様、ひょっとすると日本以上に清潔・安全。電車や船などトイレではその限りではありませんが、そうした水道には飲用不可のマークが記されているので分かります。
 「ヨーロッパは硬水なんで、フィンランドでも水にあたっちゃって・・・」という人がたまにいますが、これは先入観と旅の疲れによるものでしょう。フィンランドの水の硬度は60~80mgなので、軟水~準軟水。日本の水は軟水ということになっていますが、地域によってはこの2~3倍の数値になります。


一般的には飲料水に困ることはありませんが、喉が渇いたらコンビニか自動販売機で飲み物を買えばいいという環境ではないのが日本との大きな違い。そのため常に500ml程度のペットボトルを持ち歩いていると重宝するでしょう。

また、お店で水を買うときに”ミネラルウォーター”を頼むと炭酸水を渡されるので注意。これも慣れるとおいしいのですが、大半の日本人の口にはあいません。「普通の水」が欲しい場合は”スプリングウォーターPlease”(フィンランド語ではラフデ・ヴェシ=Lahdevesi)と言ってください。単にノンガス(Non gas=炭酸なし)と言っても通じます。スーパーなどでボトルにさわれる場合、押してみてペコペコへこむような軟質ボトルなら炭酸なしと判断できます。

 トイレ

公衆トイレ

ヨーロッパ旅行で痛切に困ることの筆頭がトイレの確保でしょう。フィンランドも同様。ヘルシンキだと、ここ数年の間に無料公衆トイレが所々に設置されるようになりましたが、必要な時にみつかる保証はなく、そのうえ女性には勧められない設備・状況であることが多いのが困りものです。
写真のような有料トイレで注意したいのはコイン。この施設は使用料40セントですが、きっかり20セント硬貨2枚でなければドアは開きません。また、別の場所では50セントだったりします。そのため、前述のように小銭が不可欠になるわけです。
無料トイレは地下鉄構内にもあります。それぞれの駅で場所が異なるので見つけづらいかもしれませんが、エスカレーターでプラットフォームに降りる前のどこかしらにあります。

穴場の無料トイレは大聖堂の斜め前にある市立博物館。展示物も楽しいので寄る価値があります。その他はストックマンデパート、その隣のアカデミア書店。駅周辺なら新中央図書館(Oodi)が気軽に利用できます。Oodiもまた、観光の魅力があります。
緊急事態ならハンバーガーショップあるいは喫茶店に駆け込むことになるでしょうが、そこで飲食しない場合は1ユーロの出費は覚悟すること。客以外の利用は5ユーロと設定している店もありますが、要するに部外者は使うな、という意思表示ですね。


プラグとコンセント

フィンランドのプラグ

フィンランドの電圧は220V。昨今のPC、携帯、カメラなどはすべてユニバーサル対応(全世界で使える)ですから、一昔前のように変圧器を用意する必要はありません。ただしプラグ(コンセント)の形状が違うので、これは事前に用意しておかなければなりません。フィンランド(および欧州の多く)のプラグはC型。写真左のように、さしこみ口が丸いものです。日本型(A)→フィンランド型(C)への単純な変換プラグは日本の量販店なら200円以下で買えます。

さて、プラグが国によって異なるのは誰しも気づきますが、見過ごされがちなのは電源コードです。日本製のコードは当然ながら100v対応なので、220Vの電流を流されると、発熱、燃焼の危険があります。特に注意したいのはラップトップPC。今一度確認のうえ、電源コードも220v対応のものを購入しておきましょう。

 

パスポート

パスポート

パスポートを自宅に置き忘れても、フィンランドで困ることはありません。なぜならパスポートがなければ、そもそも出国できないからです。
なぜこんなバカなことを書くのかというと、パスポートもしくはヴィザのしくみはなかなか複雑なので、ちょっと注意喚起をしようと思って。日本国発行のパスポートを持っている人なら、フィンランドに限らず、世界170か国ほどを自由に観光ができるわけですが、それだけに思いもよらないトラブルもありえるのです。
たとえば配偶者が外国籍の場合、日本で入籍していてもフィンランドに入れるとは限りません。一定の条件を満たしたパスポートならOKの場合もありますし、観光ヴィザが必要な場合もあります。稀なことではありますが、家族でフィンランドに訪れたものの、配偶者のみ日本国発行のパスポートを持っていなかったために当人は入国できなかった(実質的には強制送還)ということもあります。また、未成年者だけの旅行には保護者の許諾書が必要になります。心当たりのある場合、在日フィンランド大使館で、今一度確認されたほうがよいでしょう。
なお、顔写真のページをコピーしておくことをおすすめします。買い物時の免税手続きはコピーでOK。観光中にパスポートを持ち歩く必要がなくなります。また、コピーがあればパスポートを紛失した場合の再交付もスムーズになります。


印刷された地図

地図

無料で手に入る地図で、街歩きに役立つものは無いといっていい状況です。かつては道路名が索引化されて目的地がすぐにわかるもの、トラム路線図と地図が合体したルートマップ(Linja kartta)がありましたが、現在のそれはバス・トラム・電車等の路線を記すのみ。これでは現在地を確認して目的地までの行き方を調べることもできずに不便なのですが、トラム等を利用するにはこれを参照するしかありません。詳細はスマホでググれ、というわけですね。

ところがグーグルさんも時々とんでもないアドバイスを送ってくることがありますので、不十分ながらもこの路線図は持っていたほうがよいでしょう。
 
やや変わり種の地図がUlkoilukartta(ウルコイルカルッタ)。お散歩地図とでも訳しておきましょうか。掲載範囲は首都圏3都市で、徒歩もしくは自転車で広範囲を巡るのに便利。1/40000図。これをさらにサイクリストに特化させたのがPyöräily(ピュオライリュ)という地図。”サイクリング”というそのものずばりのネーミングで、発行は比較的新しい。掲載範囲はウルコイルカルッタと同じですが、ヘルシンキについては1/20000の地図なので見やすいのが特徴。。両者とも市民のフィットネス推進を目的としたもの。ピュオライリュの登場で、ウルコイルカルッタの存在価値は薄くなりました。 いずれも空港や市内のインフォメーションセンターで入手できますが、紙の地図は縮小の一途なので、ここに挙げたものもいつなくなるかは分かりません。

 

税金払い戻し

tax refound 

ヘルシンキ空港のリニューアルに伴い、税金払い戻しポイント(Tax Refund)も分かりやすくなりました。市内から電車で空港に着いた場合、施設内に入ってすぐそばの右手。搭乗ゲート(二階)に向かう手前にあります。以前は税金の管理会社に応じて設置場所が異なっていたのですが、現在はPlanetとGLOBAL BLUEの二社が並んで営業しています。


払い戻し手続きに必要な書類等は以下の4種類
・パスポート
・免税購入のレシート
・Eチケット
・クレジットカード

これらに加え、購入商品を係員に見せれば手続きは終わったも同然。彼らはあなたが何をしに来てるのか承知していますので、会話をする必要すらありません。ポイントは税金還付レシートにその場で署名(日本語でOK)すること。「サイン、ヒヤー」とかなんやらかんやら言いますので、誰でもわかるでしょう。払戻金はクレジットカードを経由して日本の銀行口座に5営業日くらい後に振り込まれます。したがってクレジットカードは必須。現金での払い戻しも可能ですが、手順が面倒なので説明は割愛します。ここで手続きを済ますと、土産品はスーツケースに入れることができるので、身軽に機内に向かえます。