松の葉の成分には血液浄化作用があり・・・ノンカフェインなので就寝前に飲んでも・・・等々と効用をうたうサイトはたくさんあるが、そんなことはどうでもよいのだ。お茶がないのでその代用にするんだから。
フィンランドでも緑茶は手に入る。トワイニングやリプトンなどのティーバッグ。あるいは中華食材店で。しかしいずれも日本製とは大きく異なるので買う気にはならない。とはいえ買うんだけどね。ホンマモノはごく限られた専門店でしか入手できない。
一方、日本では乾燥松葉が売られているようだが、まあ昨今は身近での入手が難しいから無理もない。しかしフィンランドならどこでも採取できる。なにしろ陸地の86%を占める森林のうち、半数以上が松なのだから。
で、適当に松の葉を集めて乾燥させる。生のままでもかまわない。実際、ハイキングの最中だと刈り取った松葉をそのまま煮だすこともある。一杯分ならひとつまみ、沸騰したお湯で2~3分煮込むだけ。
しかし、いかにフィンランドとは言え、厳密には違法なのかな。自然界のルールを定めたJokamiehenoikeus(万人の法―自然享受権)では葉っぱの採取を直接には禁止していないが、やっていはいけないこととして次のような行為をあげている。
kaataa tai vahingoittaa kasvavia puita 木を倒したり傷つけること(は禁止)
kaataa(木を倒す)の意味は自明だし、それが禁止されているのはわかる。が、vahingoittaa (傷める)とは具体的にどこまでをさすのか。いたづらに枝を折ったり樹皮を剥ぐのは倒木に匹敵すると解釈できる。また、樹液をとるために釘で穴をあけ、ストロー等を介してタンクに貯めるような行為も「痛める」に相当しよう。春先にはまれに目にするが、もちろん違法だ。
が、葉っぱを少し取るのはいかがなものか。「白樺の葉でお茶をつくる、そのままサラダで食べる」といったレシピはフィンランドの個人サイトでいくらでもある。すると、葉っぱの採取は禁じられていないのか、個人消費ゆえに黙認されているだけなのか。ちょっとグレーゾーンではある。
というわけで、たま~に遊び半分でとるくらいだから許してください、と松葉茶でも飲んで気を静めよう。