日本の味にソースは欠かせない

レバーのソース炒めは紛れもなく日本の味

日本固有の調味料といえば、醤油・味噌・みりん・わさび、などは即座に思い浮かぶだろう。続いて鰹節、昆布、あ、山椒や青のりも欠かせないな、と。が、意外と見落としがちなのがソースである。

いわゆる「ソース」の元祖はイギリスのウースターソースであることは広く知られているだろうが、食した人は意外と少ないのではないか。日本の類似品(見た目)はウスターソースというので、同じようなものと思うかもしれないが中身はまるで違う。イギリスのそれは非常にまずい。主原料は似たようなもののはずだが、イギリス製は酸味と塩味が強く、風味がまるでない。かたや日本のウスターソースは・・・あえていうまでもない。

これが日本の味なんですね

種類も豊富。「薄たー」か? と思わせるようなさらっとしたウスターソースを基本に、中濃、とんかつソース。お好み焼き用まである。藍より青く、まさに日本の味。そんなわけで、ソースを使うとなんでも和食になる。焼きそば、お好み焼き、揚げ物はいうに及ばず、炒め物ならソースをたらすだけで日本の味になる。

そこで手軽に和食を作ろうというのが今回の趣旨だが、レバーを炒めよう。豚・牛・鶏、なんでもいい。適当に血抜きして軽く油をひいたフライパンに乗せ、同時にソース・水を加えて蓋をする。ソースと水は1:2くらいの割合。蒸し焼き状態で5分。完成。簡単。冷めてもビールのつまみなどになる。

牛ヒレや豚ロース、鶏ももをソースで炒めてもいいんだろうけど、なんとなくイメージに合わないので試したことはない。ニラレバ炒めからの連想なんだろうなあ。ニラやもやしを加えれば街中華の定食になるけど、なかなか入手できないので、今回はレバーのみ。カラシが似合う。

おっと、カラシも入手が難しいんだよなあ。フィンランド製のカラシはマイルド・ミディアム・ホットと3種類あるけど、一番スパイシーとされるものでもジャムみたいなもの。カラシ風味のジャム。粒入りフレンチマスタードはホットドッグなんかにはいいけど和食にはまるで合わない。やはり鼻にツ~ンとくる日本製が欲しいが、S&Bなんかのチューブ入りカラシが買える場所は限られている。代用品としてはイギリス・Colman製の粉カラシ。チューブカラシが切れたときは、これを少量の水で溶いて使っている。それなりに風味はある。イギリスのソースはまずいがカラシはOK。

粉カラシはおでんなどにも十分使える