和食の基本調味料ー「かえし」は常備しておきたい

応用の幅が広く、非常に重宝する「かえし」についてはちょいと詳しく書いておこう。本ブログでは珍しいことだ。
「かえし」という言葉を知らない人がいるかもしれないが、誰もが日常的に親しんでいるのは間違いない。ひとことでいえば醤油の甘ダレ。そばつゆを初めとして、焼き鳥や蒲焼のタレなどのベースになるもの。これに水やダシを加えたり、材料の配分を加減してさまざまに応用するわけだ。

用意するもの
醤油・・・・100cc
日本酒・・・30cc   みりんがあればさらに良い。
砂糖・・・・25~30g 日本酒の代わりにみりんを使うなら少なめにする。

この量では蕎麦のつけつゆなら3~4人分にしかならないが、まずは酒(みりん)と砂糖の配分を自分なりにつかむために少量で作ってみよう。甘さの加減(好み)がわかったら、上記の比率で醤油は500cc以上にしよう。多めのほうが作りやすい(失敗が目立たない)から。それでも数ヶ月で使い切るだろうし、冷蔵庫に1年くらいは保存してもなんら問題ない。

つくり方
鍋に醤油と酒をまぜ、沸騰しない程度に加熱しながら砂糖をとかす。しばらくは弱火、フィンランドでならliesi/hella(電熱コンロ)を1~2(弱)にセットしてアルコール分を飛ばす。醤油100ccなら湯気がたちのぼってから2~3分かな。繰り返すが沸騰させてはいけない。鍋をおろし、室温程度まで冷やしたら広口ビンなどに移し、通気性のある布かティッシュで蓋をする。そのまま2~3日室温で保管。当然のことだが、陽のあたらないところでね。いわゆる「寝かす」というやつだ。この過程で「醤油の味がまろやかになる」といわれている。加熱しないで1ヶ月ほど寝かせる方法もあるけど、ワタクシは加熱後5~10日くらいの放置プレイ。その後、きっちりと蓋をして冷蔵庫で保管する。

材料の調合後、時間をおくのは醤油のえぐみをなくすためなので、必ずしも加熱は必要ないが、砂糖が溶けやすいし、熟成までの期間を短縮できる。出さらに、そのほうが味が柔らかくなるような気がする。気のせいかもしれないけど、思い込みは割と重要。

「かえし」はほとんどの和食に使えるし、スーパー和食のできばえにぐっと深みが増す。