和食の極限値をさぐる
米を炊けば日本食。醤油をたらせば和食(風)。という柔軟な発想に基づくスーパー和食。冗談で言い始めたものの、つきつめて考えると、凝ったおかずがなくても和食として成立させることは十分可能だ。
土山しげるの漫画に「極道飯」という作品がある。受刑者が過去に食した料理を語って競い合うのが基軸だが、雑談の中で「ショーユをかけたごはんが最高」というようなことをいう。これに対して別の者が「ソースもいけまっせ」などと応える。この逸話は花輪和一の「刑務所の中」だったかもしれないが、それはともかく、醤油だけでもご飯を美味しく食べることができるわけだ。日常生活で醤油だけ、というのは流石に寂しいけれど、次のようなものはどうか。
ご飯炊く。
丼によそう。
真ん中にくぼみを作る。
そこに生卵落とす。
醤油たらしてグルグル、、、、もうわかっちゃいましたね。フザケルナ、と怒ってはいけない。よく聞かれるんですよ。生卵食べてもいいのか、って。結論から言うとOK。生卵食べてください。ただし、
・賞味期限1週間以上前のものにする
・白身と黄身を分ける場合、殻を使わない
・体調が悪いときは避ける
・殻を割ったらすぐたべる
つう一般常識は守りましょう。日本でも生卵(サルモネラ)中毒はたまにあるので、国産は安心、フィンランド製は危険、ということはいえない。
これにオクラ*を刻んで混ぜると、納豆ご飯のようなものになる。刻み葱や海苔でも合わせれば、もう立派な一食。ショーユごはんにくらべれば贅沢とすら言える。
そういえば大昔のことだが、学生街の食堂には「ねこまんま」なるものがあったそうな。ごはんに鰹節をのせただけ。醤油はテーブルにあるので好きなだけ使える、って仕組みだったらしい。
*オクラの英語名はOkraだが原産地はアフリカで、同地(どこだ?)の名称が語源らしい。スーパーで普通に売っている