ヌークシオ

あなたはまだヌークシオの何も知らない

そもそも「ヌークシオ」ってなんだ? 由来については別項で触れますが、Nuuksioというのは地名です。ヌークシオ国立公園というのは「大雪山国立公園」とか「尾瀬国立公園」などに相当します。国立公園指定地域の53平方キロメートル。ヌークシオはその中のほんの一部の小さな村です。国立公園すべてがヌークシオ(村)に属するものではありません。尾瀬国立公園が群馬県、福島県、新潟県、栃木県のそれぞれ一部を占めているのと同じことで、ヌークシオ国立公園もEspoo、Vihti、Kirkkonummiという行政区分にまたがっています。

つまりヌークシオには二つの意味があり、一つは小さな村の名前。もう一つはそこを中心として広がる広大な国立公園の名前ということになります。そこでまずはヌークシオの全体像を見てみましょう。画像はクリックで拡大されます。

薄緑に彩られた区域がヌークシオ国立公園。さまざまな街・村を含んでいます。拡大図を見てもほとんどの人には訳が分からないでしょう。それが一体なんぼのもんじゃい? という感じですね。ではもう一度。

両者は森林省発行の全く同じ地図ですが、2番目のそれは真ん中あたりを赤塗りしました。一般に「ヌークシオ(国立公園)」と言う場合、この赤い部分もしくはその周囲を指すといっても間違いではありません。しかし国立公園全体から見ればほんの一部にすぎません。その中心部をさらに拡大したものが次図です。

ヌークシオの心臓部・ハウッカランピ

同図の中央あたり、Pマークを囲む赤い破線がコマドリコース(通称赤コース)で、全長2キロ。日本の団体ツアーのほぼ100%がここを訪れます。個人旅行だと左手(西)の湖を周る4キロコースを選ぶ人もいますが少数派。南に下る7.5キロコースとなると、年に何人いくだろうか、といったレベルでしょう。いずれにせよ、この赤部分がハイキングスタート地点として有名な場所です。

ここの名前がハウッカランピ(Haukkalampi)。地名であると同時に湖の名前でもあります。カフェを兼ねたガイド小屋があり、焚火場やテント場も整備されているので年間を通じてハイカーで賑わうポイントです。「ヌークシオの心臓部」と言われるのもうなづけます。

ここを起点とする周回コースは4つ。南北に向かったり、ヴァリエーションを加えれば10個くらいのルートがあります。

とりあえずはこのくらいを知っておけばよいでしょうが、この地域はヌークシオのほんの一部にすぎないのです。東京見物と称して銀座で買い物をするようなもの。もちろんそれも東京見物に間違いはないし、文句をいう筋合いではありませんが、それが東京のすべてではありませんよね。ところがヌークシオについてはほんの一部分が国立公園のすべてであるかのように紹介されているわけです。じゃあ渋谷は? 新宿は? いずれも銀座に匹敵する東京の中心地ですね。同格のポイントはヌークシオにもたくさんあります。なにも新島や大島も東京だ、とイチャモンをつけているわけではありません。

本サイトではヌークシオの全体像を紹介していきます。

ヌークシオの記事一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加