あの手この手で詐欺師が横行

あ、これはお得、と思ったら負け

10月中旬から、私のFBには毎日のようにこんな広告が表示されてた。
全国の空港を運営するFINAVIAを名乗るもので、「ロストバゲージの格納場所に制限があるので、保管期間を越えたものを2€でお譲りします」というもの。

即座にいろいろな思いが巡る。
ロスバゲってこんなにあるのか。
2€ならゴミつかんでもいいかな。

iPadが2€で?

FBのコメント欄には、「誰か試した人いる?」という呼びかけに対して、「2€でipadゲット!」、「ウィスキーが4本入ってた」、「これは私へのご褒美」などの賛辞が並ぶ。

なにしろFINAVIAの広告だから間違いあるまい、と思った時点で被害者候補。日本の詐欺メールだって○○銀行やら△△信販を騙るのだから、名称だけで信頼できるわけがない。

新品ばかりなのがまず怪しい

そこで「詳しくはこちら」をクリック。下のバナーにリンクを貼った。

詐欺サイトへのリンク

個人情報の入力画面までたどるだけならOK

FBの偽投稿とともに、このサイトもよくできてると思う。ゲーム感覚で購入申し込み画面に進み、住所・氏名・クレカなどの個人情報入力画面に移る。ここまでなら覗いてみても問題はない。

さて買うか。しかしここでかろうじて理性が働く。
ロスバゲ=持ち主不明ということは、スーツケースの鍵はないわけだな。じゃ、どうやって開けるのだ? 無理やりこじあけても(スーツケースは使い物にならなくなっても)、iPadが入ってたら大儲けだが。しかしそれだってロックされてるだろう。そもそもタブレットをスーツケースに入れるか?
そのほか持ち主のプライバシーに関わる品だってあるだろうに、第三者に譲ってよいものなのだろうか。日本でいうなら「逸失物法」に抵触しないのか? FINAVIAはクレイムタグをたどって本来の持ち主を探さないのか? 販売・運送の手間を考えると、そのまま廃棄したほうがいいんじゃないの? 等々の疑問が沸く。

他の写真を見てみる。
山と積まれたロスバゲに2€の値札。じゃあ、空港行って買うかな。いや待て。保管場所に値札っておかしくね?
なーんてことを思ってたら夕刊紙のILTA SANOMATに「詐欺に注意」の記事を発見。
その内容が以下。全文フィンランド語だけど、要するに「この広告は詐欺でっせ」、「45€抜かれまっせ」ということ。なぜ45€という少額なのかはわからないが、その程度だと泣き寝入りする人も多いということかな。
下のリンクは新聞社のまっとうなサイトなので安心して御覧ください。

Facebookissa on huijaus, joka ohjaa ihmisiä maksulliseen tilaukseen kadonneiden matkatavaroiden houkuttamina.

こんなスーツケースが2€で手に入るなら・・。鍵はどうすんだよ、鍵は。

*10月30日以降、FB上での広告配信はなくなったもよう。上記詐欺サイトもいずれ削除されるだろう。

Finaviaが現れなくなったと思ったら、またまた怪しいものが。
「倉庫の事故により梱包がくずれたため、電動スクーターを2€で売ります」だって。出所がAMAZONだし、いいんじゃない? ってか。

FBでの ”コメント” も「誰か買った?」、「これはお得!」なんてFinaviaのスーツケース詐欺のやりとりと同じノリ。

過去ログをさぐってみると、「梱包崩れの最新スマホを2€で」なんてのもあった。これまで気にもとめてなかったけど、いくらでもあるのね。2€ってのがポイントか。

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