日帰りハイクなら特別なものは必要ない
いかにお手軽な2時間ハイキングコースでも、自然に入り込むし、ましてや外国のことだから服装や道具が気になるのは当然です。中でも靴については特に悩むのではないでしょうか。
おすすめとしては上の写真のようなトレッキングシューズ。足首まで保護し、ゴアテックス内蔵であれば万全。岩場も水たまりも構わず走破。積雪期にも使えます。
とはいえトレッキングシューズは「あれば万全」というだけで、実際には必要ありません。ヌークシオに限らず、街でもどこでも、重い荷物を持って長時間歩くつもりでなければ邪魔なだけでしょう。「コースを歩きとおせる」という要素に限れば、スポーツサンダルでも問題ありません。←これについては後述。
実際には上の写真のように、カジュアルなスニーカーがベストです。街歩きも含めて一足で済ます場合はもちろん、ドレスアップにもう一組持っていくというのならなおさら。4~11月なら履きなれたスニーカーで十分です。
こんな感じ。
あるいはこんな感じ。
みなさんカジュアルです。おしゃれなスカート、手荷物はショルダーバックでハイキングを楽しんでいます。基本装備(服装)は市内観光の延長で全く問題ありません。
ハイキングだからといって、特別な防寒具が必要になるわけではありません。街歩きの服装にせよ、季節にあわせて組み合わせを考えるでしょうから、それで十分。ただ、その中で歩きやすく、動きやすいものを選びましょう、なんてことは言うまでもありませんね。
手荷物にしても必需品は雨具と水くらいなものですから、バックパックですら必須ではありません。ただしハイキング当日が晴れていても、それ以前の天候しだいではルートがぬかるんでいますので、足元が泥にまみれる(靴が汚れる)可能性があることは承知しておいてください。
雨具だけは必ず用意しておきたい
2~3時間のハイキングに特別な装備は必要ありませんが、雨具だけは用意しておいたほうがよいでしょう。夏の雨なら濡れてもどうということもないし、雨宿りしてやり過ごすこともできますが、これは上級者向け。一般的にはおすすめできません。
ヌークシオあたりなら風にあおられる雨というのはごくまれなので、折り畳み傘で十分対応できます。しかし、個人的には雨着を推奨。ゴアテックスなどの防水ジャケットが最適ですが、真夏には暑すぎる+邪魔。そこで100円ショップで調達してはどうでしょう。ショルダーバッグに楽々おさまります。しかも、傘と違って多少の防寒具にもなります
街中での使用には抵抗があるかもしれませんが、ポンチョもしくはレインコートは森林内では重宝します。レインパンツ(やっぱり100円)は、濡れることによほどの嫌悪感がない限り必要ないでしょう。
当然ながら、持っていたほうがよいものもある
季節、天候、コースの長さによって持参したほうがよいものには違いが出てきますが、5~10月、昼間の2~3時間ハイキングなら、次のようなものでしょう。
・水 500㏄くらい 喉が渇く前に飲む
・帽子 シラミバエを防ぐ(完全には防げない)
・蚊よけスプレー 8月以降はほとんど不要
・長そでシャツ 暑くても、できれば肌は露出しないほうがよい(虫よけ)
・防寒着 天候が変わりやすいので、念のため。街着と共有できるものでOK
・軍手 ほぼ必要ないが、保護、保温はもちろん、焚火の際に重宝
手ぶらだってかまわない、が。
こんな軽装で歩いている人もいます。危険を承知で、かつ自分で対処できるならかまいませんが、一般論としてはどんなに暑くとも肌は露出しないほうが賢明です。蚊や紫外線などはたいした問題ではありませんが、ダニに襲われる危険性があるからです。冒頭でサンダル履きについて注意を喚起しておいたのはそのため。フィンランド語でpunkkiというダニは知らぬ間に人に吸着、感染症を起こします。かゆみが長期間続くのはカワイイほうで、死ぬことさえあり、「熊より恐ろしい」と言われています。つまりツツガムシですね。
日本でも「ツツガムシに注意しましょう」と行政から呼びかけられていますが、知識がない限り注意のしようがありません。熊なら生息地域はわかりますし、回避方法もある。それ以前に一般人が熊に出会うなんてことはまずありえませんね。一方、ダニは至る所で待機しているので誰にでも危険性があるし、防ぎようがない。そんなわけで「フィンランドで最も恐ろしいもの」と捉えられているのも納得です。
まあ、これまで日本人観光客がpunkki(ダニ)の被害にあったという報告は聞いていませんが、ハイキング前後の天候、ハイキング中の休憩場所には細心の注意を払っていただきたいところです。