ハウッカランピへのより楽しい行き方

同じ道を往復せず、変化にとんだコースが魅力

ヌークシオハイキングのスタート地点としてポピュラーなハウッカランピへの行き方はすでにご紹介しましたが、他にも二つの方法があります。定番コースはわかりやすく、バスも一年中動いているので初めての人には無難ですが、バス停からハイキングスタート地点まで、2キロ弱の林道を往復するのはちょっと退屈かもしれません。そこでアレンジを加えたのが以下のルートです。こちらのほうが「より楽しい」とは思いますが、デメリットもあるので比較検討してください。

ヘルシンキから電車でエスポー、245系のバスに乗り換えてハウッカランピ方面へ、とここまでは定番コースと同じです。しかし、下車するのはホグバッカ(Högbacka)という停留所です。ここはハウッカランメンティエの二つ先。距離にして2キロくらいでしょうか。この停留所もまた、自分で見つけることはできないでしょうから、運転手に地名を書いたメモを見せておきましょう。ところでホグバッカというのは「裏山(丘)」という意味ですが、なぜかスウェーデン語。フィンランドの地名はフィンランド語とスウェーデン語の2か国語併記が基本ですが、ここはスウェーデン語名しかありません。なぜでしょう?

バスを降りたらすぐに森の中へ

バス停(トップ写真)から振り返るとハウッカランピへの道しるべが。探すまでもなく目に入る

それはともかく、ホグバッカの利点はバスを降りたらすぐに森の中に入れる、実質的なハイキングが即スタートするということにあります。小さな駐車場のあるバス停で降り、10メートルほど後戻りするとハイキングコースの入り口を示す道標があります。このルートの詳細は別項にゆだねますが、木道あり草原ありの奥深い森で、他にない味わいも楽しめます。ハウッカランピのハイキングスタート地点(駐車場)まで約1.5キロ。帰りは同じ道を戻ってもいいですが、ハウッカランメンティエの林道でもいいでしょう。片道なら十分楽しめると思います。あるいはハイキングはロングコースにして、シーカランタまで南下するのもあり。約7.5キロ、計9キロくらいの歩行距離になりますが、これだと全行程が森の中です。

そんなわけでホグバッカまで行くのは絶対のお勧めですが、問題が一つあります。ここまでバス(245A/K カッティラ=Kattila行き)が来るのは5月中旬から10月中旬まで。まあ、それ以外の季節に訪れる人は少ないでしょうから、実質的な支障はないのかもしれませんが。

ハウッカランピへの行き方にはもうひとつのお勧めもあります。エスポーからハウッカランピ方面のバスに乗るのは前者と同じですが、このルートではハウッカランメンティエの一つ手前で下車します。停留所名はプンヨンスオ(Punjonsuo)。ここもやはり地名のメモ書きを運転手に見せておいたほうがよいですが、Haltia(ヌークシオ自然センター)から二つ目の停留所なので、比較的みつけやすくはあります。

Punjonsuoバス停を100mほど直進。最初の応談歩道の左がハイキングコース

ここにもHaukkalampiへの道しるべが

プンヨンスオからのスタートも、やはりバスを降りたらすぐに森林内に入れるのが魅力です。加えてホグバッカからのコース以上に変化に富んだ森歩きが楽しめます。急こう配の階段を登り、人気の少ない原生林を抜けるとヌークシオ最大の湖、ピトゥカヤルヴィ(Pitkäjärvi)の最北端へ。雄大な景色にみとれることでしょう。この後はまもなくハウッカランメンティエに平行した小径になりますが、そのまま直進。コマドリの道に合流します。バス停から2キロ強。
いいことづくめのルートですが、強いてデメリットをあげるとすれば、「人通りが少ないので不安になる」ことでしょうか。経験者の同行が好ましいかもしれません。

知らなくてもいいこと

秋口から春先まで。エスポーからハウッカランピ方面に向かう245バスはヌークシオンパー(Nuuksionpää)止まりとなります。したがってその時期はハウッカランメンティエで降り、同名の林道を歩いていくのが一般的です。しかし、まれにヌークシオンパーまで行ってしまう人がいるようです。その場合、ハウッカランピへはかなりの遠回りになります。

こうした過ちは「ヌークシオンパーで下車・・・」とアドバイスしているサイトなどがあるためかもしれませんが、混乱するのも無理はない側面もあります。というのは、ハウッカランメンティエ(バス停および林道双方)はヌークシオンパーという地域に含まれるからです。つまり、ハウッカランメンティエ=ヌークシオンパーと考えても間違いではないのです。
実際、バス停から数分歩くと地名を記す標識があります。お、これがヌークシオンパーか、と小径に入るとさあ大変。プライベートエリアに通じているので、そこは進入禁止です。また、フィンランド語はちょっと分かるが、ヌークシオについては良く知らないという人は誤解する可能性もあります。ヌークシオンパーという地名は、「ヌークシオの頭」という意味なので、そこを中心部と受け取ってもおかしくないでしょう。しかも季節によってはそこが終点なのですから、ハイキングスタート地点と考えてしまうかもしれません。
こんなことは知らなくてもいいのですが、「ヌークシオンパーで降りちゃダメなんだな」ということは記憶に残ることでしょう。