ミエミエのギャグばかりだが、つい笑ってしまう
監督 Aki Kaurismäk
製作 1989年 79分
出演
Matti Pellonpää (Vladimir )
Kari Väänänen (Village Idiot)
The Leningrad Cowboys
Nicky Tesco (Lost Cousin)
Jim Jarmusch (Car Dealer)
ワタクシが始めて見たカウリスマキ作品がこれ。そのときの印象は非常に悪く、レニングラードカウボーイズのキャッチフレーズである世界最低のバンド(Maailman huonoin bändi)というのは、本作が世界最低の映画だと自嘲しているのだろうと思った。この後もカウリスマキ作品は何本も見たが、幾分義務的に鑑賞しており、退屈だという印象は変わらなかった。10本くらい(嫌々)見るうちにカウリスマキの面白さが分かるようになったので、改めて本作を見直したらヤッパリ面白くなかった。
いや、分かるんですよ、カウリスマキ映画の魅力は。本作でも思う存分発揮されてます。頻繁に繰り出してくるギャグは先が読めても笑ってしまったし、物語の展開や哀愁漂う俳優陣は彼ならではの世界です。様々な解釈ができるエンディングも余韻があるしね。しかし個人的には、まずあの異様な格好がダメ。へたくそな演奏を延々と聴かされるのがイヤ。好き嫌いの問題ですが。
一発でカウリスマキのとりこになる人もいるわけだが、本作は入門編としてはきついかも。しかし人気は高くて、一時期は続編(レニングラードカウボーイズ、モーゼに会う)を含んだDVDがAmazonに3万円以上で出品されてた。海外でも再発が繰り返されたようで、DVDジャケットは何種類かある。
カウリスマキ作品常連のマッティ・ペロンパーは安定の演技。あ、ジム・ジャームッシュが出てる。そうした意味では豪華な作品。
なお、レニングラード・カウボーイズというのは映画作成前からヘルシンキで活躍していたSleepy Sleepersというバンドが母体。その名前で75年から2015年の間に20枚のアルバムを発表しているが、メンバーチェンジも頻繁だ。もちろん映画上のレニングラード・カウボーイズとはイコールではない。