お菓子二題

古代を思えばなんと贅沢な蘇

コロナ禍で学校閉鎖が続いています。日本の休校関連のニュースを見ていたら、「給食がなくなって牛乳が余っている」とのこと。「消費拡大のために蘇を作ろう」なんて記事が出てた。余った牛乳を生徒に配るならまだしも、牛乳の消費拡大だけを強調する意義がわからないが、調理の一例として「蘇」が紹介されていた。暇なので作ってみよう。

作り方は簡単。牛乳をフライパンで煮詰めるだけ。火力に気をくばり、常にかき混ぜて焦げ付かせないようにすればできる。コンデンスミルクをさらに濃縮するようなもの。牛乳1.5リットルで食パン一枚くらいの蘇が作れる。出来上がりは柔らかめのビスケットのようなもので、原材料は牛乳だけなのにほのかな甘みがある。特段おいしいものではないが、その昔(1000年以上? 前)、牛乳自体が珍しかった時代にこれほど縮小させるなんて、なんと贅沢なことよ、と思えば有難みが湧く。ただ、この量でも完成まで一時間半くらいかかるから、よほど暇な人にしかおすすめはできない。私はヒマですから。

続いて梅ジャム。
かつては駄菓子の王様。元祖・梅の花本舗は2017年暮れに廃業したが、いまだにファンは多いようで、他メーカーの製品が流通している。フィンランドにはもちろんない。梅自体がない。しかし、こんなのも作っちゃうんです。
ある食材を細かく切って、水・砂糖・リンゴ酢、クエン酸を混ぜて弱火で煮込む。調味料の配分は適当。甘酸っぱさが出ればいいのだ。加熱時間は20分くらい。これも適当。

こうしてできたのがこれ。

なんだ、ケチャップみたいだな、と思うなかれ。意外とおいしくて、子供たちがあっというまに食べちゃったので写真用には少ししか残らなかった。ついでにミルクせんべいもどきも作ってみたが、こちらは失敗。無理すれば食えるレベル。「次回の健闘に期待したい」とは評論家の弁。

さて、「ある食材」とはなにか。ドライトマトなんだなあ、これが。アンズ(Aprikoosi)ならもっとおいしくなりそうだけど、このためだけにわざわざ買う気にはならない。

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