物乞いは意外と収入があるみたい

ほんとは「乞食」ってタイトルにしたかったんだけど、ちょっとインパクト強いし差別用語なんで控えてみた。あ、でも書いちゃったな。最近では「乞食」(また書いちゃった)を「ホームレス」と言い換えてるようだが、全然意味が違うじゃん。乞食=ホームレスの可能性は高いが、ホームレスすべてが乞食ではないし。それに乞食って元来は仏教の大事な修行だったしなあ。

で、それがフィンランドにどう関係するのかというと、たくさんいるんですよ。乞食、じゃなくて物乞いさんが。フィンランド語ではkerjäläinenというのだが、英訳だとbegger(Uusi suomi-englanti suur-sanakirja)。これを研究社の英和辞典で調べると「こじき」となってます。

さてこの物乞いさんたち、いつごろからフィンランドにやってきたのかはよく分りませんが、大半はルーマニアのロマ人というのが定説です。同国が2007年にEUに参加して以降はどっと数が増えた感じ。


日本では軽犯罪法や自治体の条例で乞食行為は禁止されていますが、フィンランドでは今のところ違法ではない、という状態です。ただし、何年か前に未成年者を連れ添うことは禁じられました。つまりそれ以前には子供をダシにした集金がまかり通っていたということ。私も何度も目撃しました。インドやタイ(限ったことじゃないだろうが、実際に見たのは両国だけなので)だと、憐れみを誘うために腕を切り落として街に出るなんてこともありますね。しかも自分の子供を不具にしたり。フィンランドへの出稼ぎ者はさすがにそこまではしないけど。

果たして彼らはどのくらいの収入があるのか。素朴な疑問が浮かびます。本国では仕事がない(無収入)にしても、フィンランドまでの旅費はかかるし、滞在費(生活費)も当地のほうが高いのだから、それなりの収入はあるんでしょうね。彼らの多くには元締めがいるそうなので、そうした輩にも手数料を払わなければならないし。ああ、裏社会ではビジネスとして成立してるのか。

富める国に貧しい国の人々が流れ込むのは道理なのですが、これを面白く思わない人がいるのも当然です。半年ほど前の新聞(Metro・4.26付け)では”Kerjäläisiä tölvitään monin erilaisin tavoin”の見出しで、物乞いたちがさまざまな被害にあっている様子を伝えています。具体的には「ツバを吐きかける」「怒鳴りつける」「集金用コップを蹴飛ばす」など「攻撃的な対応が多い」とのこと。同記事は大道芸人が顔面を殴られたことも伝えています。被害者は「金塗りの銅像に扮した外国人」ということなので、ヘルシンキを何度か訪れたことがあればエスプラナーデ周辺に長年いる「あの人」を見たことがあるはずです。

単なる物乞いと大道芸人は別物だと思いますが、外国人への嫌悪感が高まっていることを感じさせる出来事です。その背景に人種差別感があるのは当然で、「(攻撃する人々の)怒りの背景には、物乞いたちはみんな泥棒だという先入観がある」とまとめています。

物乞いたちは一応自由意志でフィンランドにやってきていることになっていますが、先ほど触れたように、犯罪組織が絡んだビッグビジネスだったりする。それゆえにEUでは物乞いを禁止すべきだ、という議論もあります。

一時期、ヘルシンキ東部のKalasatamaを物乞いたちが不法占拠していましたが、都市再開発に伴い一掃。彼らは今、どこで寝泊まりしているのだろう。昼間は街中にいるので、本国に帰ったわけではないですから。

「世界放浪中」と記して手製のアクセサリーを売ってる日本人をカンッピ・ショッピングセンターの中庭で見たことがある。単なる推測だが、乞食より儲からなかったはず。フィンランド人は道端で売ってるものなんて買わないからね(フリマは別)。商売になるなら、あちこちで似たようなグループが出現するはず。そもそも、無許可販売は禁止されてるし。乞食はいいが、商売はダメ。

あと、結構アグレッシブな乞食もいる。「金入れろ!」って感じで紙コップを突き出したり、「20セントじゃ少ねーよ、1ユーロ寄越せ」とか言ってたりする。私は完璧に無視してるけど。