Koti-ikävä:心を閉ざした少年は救われるのか

両親の離婚で心が揺れる17歳が思うこと

監督 Petri Kotwica

製作 2005年 81分 K16
出演
Julius Lavonen … Sami
Tarja Heinula… Äiti
Janne Virtanen … Taneli
Hannu Hurme… Rude
Abshir Sheik Nur … Jamal
Emilia Kokko     … Kristiina

変な映画を続けて2本見てしまった。もう一本はTäältä tullaan elämä(別記)。

ま、こういう「変な」内容がフィンランド映画の特徴であり、そこが面白いといえるのだが。

この2本に共通するのは、心に問題を抱えた10代の少年が主人公ということ。Täältä tullaan elämäのエンディングは切なく、本作は見方によっては多少の希望を感じさせて終わるという違いはあるが、テーマの基本に変わりはない。両者の時間的隔たりが25年あるにも関わらず。

主人公のサミは17歳。誰とも口をきかず、感情を表すこともない。精神病院に送られるが、母親は息子の病状を認めず、(両親の)離婚の痛手から立ち直りつつあると主張。

映画ゆえの誇張があるとしても、フィンランドの青少年の深刻な問題の一辺を伝えてくれる。日本、その他の国でも同様のケースは少なくないだろうが。

終盤で明らかにされる主人公の謎や、意外な展開に驚きもして面白い。しかし、アンバーフィルターを強くかけ、さらには粗い粒子とした映像が必要だったのかどうかは疑問。

1962年生まれのPetri Lauri Kotwica監督は次作の Musta jää でフィンランド・オスカーの最優秀監督賞を受賞。

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