アイアン・スカイ:Iron Sky

大金をかけてつくりあげたバカ話が小気味よい

監督 Timo Vuorensola
製作 2012年 93分
出演
Julia Dietze    …   Renate Richter
Christopher Kirby
…   James Washington
Götz Otto   …   Klaus Adler
Udo Kier
…   Wolfgang Kortzfleisch
Stephanie Paul …  米大統領

大統領選挙のキャンペーンのため、46年ぶりに月面着陸を果たしたアメリカ。宇宙飛行士が目にしたのはナチスの基地だった・・・・。

宇宙空間をロマンティックに描く導入部から一転、以後、おバカな展開が延々と続く。制作総費用750万ユーロ。2012年時点ではフィンランド映画史上最高額である。うち100万ユーロはクラウドファンディングで集めたことも関心を集めた。大金を投じてバカげた映画をつくりあげる心意気がいい。

フィンランド、ドイツ、オーストラリアの合作で、主なロケ地はドイツとオーストラリア。フィンランドでの撮影はない。監督および脚本・制作はフィンランド人だが、出演者はドイツ人とアメリカ人だ。

フィンランド映画にしては珍しく、全世界をマーケットとして作成されたようだ。出演者が米・独人で、劇中のセリフは英語がメイン。タイトルも英語だ。フィンランド語タイトルとしてRautataivasが使われることもあるが、Iron Skyのほうが一般的。

この主演女優が映画人気に大きな役割を果たしたことは否めまい

ストーリーはあらすじを記すのも馬鹿らしくなるようなもの。宇宙飛行士の持っていたスマホがナチス残党の最終兵器完成に役立つとわかり、ナチの二人+米人宇宙飛行士が地球に赴く。選挙に勝つことしか考えていない大統領は彼らをプロパガンダに利用。そこに月世界の支配者も表れて地球侵略の大戦争が始まる、というもの。

地球侵略に向かうナチスの軍団

この間、ベタなギャグが満載。んなアホなという設定も多く、本作をこき下ろす評論家も少なくない。しかしコメディに辻褄を求めること自体がナンセンスだ。そんなバカな、という話に笑い、無意味にスケールの大きい宇宙戦争に関心するのが正しい見方だろう。

北朝鮮を揶揄したり、宇宙戦争では日本の宇宙船が神風アタックしてたり、自己中そのもののアメリカ大統領とか、笑える部分はそこかしこにある。
とはいえ、だれる場面も目立ち、93分という上映時間ですら長く感じる。制作姿勢には好感が持てるんだが、全体としては退屈かな。

日本船はカミカゼアタック

しかし大衆は本作を強く支持。公開当時はヘルシンキ市内にたくさんのポスターが貼られ、前評判も上々だった。2019年には続編のIron Sky: The comeng Race(アイアンスカイ 第三帝国の逆襲)が公開された。なんと製作費は第一作の倍以上の1700万ユーロ。さらには第三作のIron Sky:The Arkは舞台を中国に移して展開。アンディ・ガルシアなんかも出演してて、トゥルクもロケ地の一つらしい。2019年公開予定。2018年にはトレーラーも発表されている。あれ? なんかおかしいな。これはもう少し様子をみないと正確なところは分からない。

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