スパゲティが驚くほど”ラーメン”に変身
「スーパー和食」で取り上げているのは、日本にいれば見向きもしないメニューばかりだろう。しかし、すべてオリジナル。限られた食材をどうやって日本風にしようかと、自分で考えたものである。が、ここで初めて他人のアイデアを紹介する。それが「スパゲティを使ったラーメン」である。
海外生活者の中ではかなり有名なレシピのようだが、いくつかの理由から改めて記しておきたくなった。一番の理由は、スパゲティのラーメンへの変身ぶりが感動レベルだからである。ネットで見つけたこのレシピを初めて試したときは、「どーせ・・・」なんて半信半疑だったが、その結果に感激。椎名誠なら「俺が悪かった」とでも書きそうな発見。「確かにラーメンだ・・・」と。しかも、作り方は簡単。スパゲティを茹でるお湯に重曹を入れるだけ。
作り方は検索すればいくらでも出てくるけど、「レシピ」というほどのことでもない。重曹の分量だって適当でいい。水1リットルに対して大匙一杯くらい。100gのスパゲティを茹でるなら、水は2リットルは欲しいが、その辺も適当でいい。こんなものを作ろうと思い立つ人は料理の心得があるだろうから、細かいことは言わなくてもいいはず。
ただ、重曹による泡が大量に出ることには注意してほしい。思いもよらぬほどに発生するので、鍋はできるだけ大きいものを用意したい。掲載写真では3リットル鍋を使っているが、すでに経験済みであり、今回は一人前をチャチャチャッと作ったため。2人前以上を作るときは6リットル鍋を使う。それでも吹きこぼれには気を付けなければならない。フーフー吹いたり、レンジから鍋をおろしたり、と。
その時点で第一の感動を味わうはずだ。重曹を入れたお湯が放つのは、町中華の厨房の香り。ラーメンの茹で汁の匂いに他ならない。「お、これはいけるかも」という期待が高まる。で、途中経過を大きく端折り(スープや具材はお好みで)、以下、完成写真。食してみると、先にも書いたように「確かにラーメン」。
しかし、このレシピの発案者は誰だろう? 重曹を料理に使うことはあるけど、料理研究家が思いつくだろうか。手打ちラーメンなら「かんすいがない場合は重曹で代用できます」ぐらいは分かるだろうが、あえてスパゲティを重曹で茹でるなんて?
なお、ここまであえて「スパゲティ」と記してきたけど、個人的にはスパゲティーニ(細めん)のほうが好み。フェデリーニ(さらに細い)が欲しいところだが、フィンランドにあるかなあ? 日本基準での太麺が好きな人は「普通」のスパゲティ(太さ1.7~1.9mm)で満足できるはず。
ちなみに、ラーメンも和食(日本産)であることは言うまでもない。