”くずもち”モドキを作ってみた

プルプルの歯ごたえが冷涼感も誘う

昔むかしの「NHK・今日の料理」で見かけた「くずきり」が美味しそうだったので、試しに作ってみた。

え? フィンランドに葛粉なんて売ってるの? 売ってるんですよぉ。ただ、普通のスーパーで置いてるところはほとんどないし、自然食品専門店だと100gで1000円くらいするんじゃないかな。クズは健康食品と認識されているようなので、サプリとして錠剤が売られてたりする。とはいえ、もとよりそんな正規の材料を使う気なんてないので、どこでいくらで売っていようが関係ないのだ。

まずは片栗粉を溶いたところ。加熱前。

葛粉がないのにくずきりが作れるの? もちろん作れる。片栗粉を使えばいいのだ。これだと500gで120円くらい。

「きょうの料理」をチラ見して適当に分量を量る。片栗粉30gを120㏄の水に溶く。いい加減なもんだが、元のテキストもいい加減な記述なのでちょうどいいのだ。しかも、この分量でまちがいないという自信もある。

手順の一部はテキストに倣った。溶かした片栗粉をステンレスの小皿に入れ、沸騰した大鍋に浮かべる。凝固するまではお湯と混ぜてはならないから、小皿を安定させるのに苦労した。トングがあればつかんでおけるが、ウチにはないんよ。

総行程30分もかからない

で、一分もすると片栗粉が凝固して白濁してくる。表面が乾いてきたことを確認してお湯に沈める。この時の湯温は推定80度。固まった片栗粉が見る見るうちに透き通る。溶けちゃったんじゃないかと心配になるくらい。この流れは理科の実験みたいで面白い。

まあ、30秒くらい浸けてたかな。引き上げてみると溶け流れることなく、小皿に固まっていた。透明なスライム状態。

転生したらスライムだった件、ってやつね

そうなったら間髪を入れず冷水につける。しばし冷やして小皿から引きはがすのが次の手順だが、べったりとこびりついているのでややてこずる。ナイフをわきに入れてすき間を作り、さらにスプーンで空間を広げる。そのあとは手作業。くずさないように注意して剥がしとる。なんとか成功したが、よく考えてみると、途中で切れても構わないんだよな。どうせ細かく切るんだし、商品じゃないんだし。この間、10分もかからない。

出来上がり直後は心太のように透明。黒蜜を作るのはめんどくさかったのでメープルシロップで代用。うん、さっぱりして美味しいや。プルプルした食感も楽しい。粘り気が欲しければ片栗粉の量を増やせばいいだろう。冷蔵庫でしばらく冷やしておくと白っぽくなり、葛餅の見た目に近くなる。

切り方を工夫すれば、さらに葛餅に近くなろう

当然ながら葛餅本来の味ではないけど、ホンモノを食べたのはいつのことかさえ覚えていないので、スーパー和食としては上出来だ。あ、そうか。蕨餅ならホンモノを作れるなあ。

5月になれば蕨(sanajalka)がいくらでも生えてくるから、これを採取して地下茎を集めて・・・と、理論的には可能だが、それやると野外サバイバル、海水から塩を作る、みたいな大仕事になるので、妄想にとどめておこう。

蕨の利用はおひたし程度にとどめるのが吉